14.8.09

ねじ巻き宇宙人

毎朝、受信BOXに届けてくれる今日の占い…
どこの誰だよ、今日の牡羊座は最高、超イケテルとか言ったの?
朝から期待しまくったぞ。
最高どころか、今日は間違いなくここ2ヶ月で最悪の日。

混んでないバスに乗れた、
勉強が捗った、
時をかける少女が面白かった、
タクシー代もらった…
この程度で最高だとしたら、我ながら凹む。


★ ★ ★ ★ ★


今夜、未知との遭遇。
ある日本人に会った。
コンピューターエンジニア(現地採用)の男性。

ベンチで人間観察中の俺に近づいてきて、あっちからの先制攻撃。
「日本人の方ですか?」
「そうですよ」

(゚Д゚)ヒィィィ!

交わした会話はこれだけで十分。
1回のみのキャッチボールで全て理解した。

…人間がしゃべってねぇ…

例えるならば、一昔前の音声ガイダンス。
お前はカーナビか?カスタマーサービスか?

【ここにねじ巻き人間現る。】

しかし、これも何か縁。飯に誘われたんで、OKしてみた。
故障したら、俺がねじを巻いてあげよう。
てか、ねじ巻き人間はねじ食べんのか?俺は肉がイイっ!!

知り合って20分くらい経った。
どうでもいい話に聞いてるフリもずっとしてあげた。
温度を感じない言葉に対応するのも結構しんどい。
長いこと会話したけど、やっぱり消えない疑問

「お前の中には誰がいる?」

((゚゚((Д))゚゚))ガクガク

そのうち顔がグアァァァって半分に割れて、中からちっちゃいオッサンが出てくるんだ。顔は緑でベトベトで、目ばっかり大きい。そんでギーギーしゃべるんだ。目の前の人間の体は都合よく利用されてただけ。自分の声は日本語変換され、俺はその音声ファイルと会話してる(欝)

…さっさと帰りたい。
てか、早く別れたい… 

そう思ってた矢先に事件は起きた。

帰り際、俺とねじ巻き宇宙人とインド人のトモダチの3人はオート(3輪タクシー)を拾った。
まずインド人を降ろして、それからうちまで行き、最後にねじ巻き。最初の目的地の前に到着した。でも、ドライバーはオートを止めない。散々、車を脇に寄せろってインド人がどなってるのに、平気でシカトするドライバー。インド人、だんだん言葉は荒くなり、英語だからF***ワードばっかり。

その瞬間、インド人 手ぇ出しちゃったよ。
後ろから胸倉掴んで、後ろから後頭部を連打!!(←スゲェ光景www)
そしたら、思った通り、ドライバーも応戦。車から降りて、ゴングが鳴った。
(てか、ここインドで手出すのはご法度。最後の手段でも使えない技なので、悪しからず)

状況は1対2
ビェェェ いつの間にか、ねじ巻きが参戦してる!! お前じゃ、勝てねぇよとか思いつつ、俺は後ろから完全に最前列に陣取る観客w 殴り合いとか俺、嫌いだし。俺、平和学部よ。それにケンカの最中に車に轢かれて交通事故とか勘弁だし(現場はもちろん路上、交通量バンバン)。

ぴたぴたパンチ空手チョップの応酬のさなか、ねじ巻きがドライバーの後ろを取った。完全に肩を固定して、あとはインド人が殴るだけ。

ヨッシャ、イケ!!

その瞬間、ドライバーのロックが外れて、ねじ巻きボコられる。ドライバーがその場を離れると、残ったのは無惨にも路上に横たわるねじ巻き…
「おいおい、大丈夫かよ…完全に息してねぇよ」

仕方なく、その場を抑えて、
警察呼んで、交通整理して、野次馬対応して… って、なんで俺がこんなことしてんだよ?

俺の介護の結果、ねじ巻きは生き返った。
インド人は彼の携帯は壊れたが、ケンカにも勝って、偉そうに勝ち誇ってた。

ねじ巻き
「わたし、カラテを習っていればよかったです。ドライバーを押さえたとき、『俺はカラテが出来る』と言ったけど、その瞬間殴られました。嘘はいけませんね」

( ゜Д゜)ハァ?

知らねぇよ。
お前は少し黙ってろ。


とりあえず、迷惑料として、タクシー代をねじ巻きから頂き、俺は帰途についた。
今日の占いでは牡羊座は最高だったはず。マジでついてない。
面白かったけど…

それにしても、チェンナイの夜はカオスだ。

これで分かっただろ?
地球は危険がいっぱいだ。
ねじ巻きは宇宙に帰りなさい。

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