4.4.11

人生は演歌だよ

演歌だと思うんですよ。

その人は俺がチェンナイにいるなら、その姿を一度拝みに行かなくてはいつも口にしていた。インドに来る前から言ってるからもう随分長いこと同じ台詞回し。ぶっちゃけ、同じような事を冗談半分で言う人、こっちが真面目に受け止めるような真剣な顔して嘘をつく人、でもそういうのが普通だと思うんですよ。これがロンドンやニューヨークなら話は違うんだろうけど、俺がいるのは日本から直行便もなく、遊ぶところもほとんどないチェンナイ。要するにほとんどの人にとってはチェンナイ=俺になるんだ。

秋元康作詞の歌謡曲ならきっと来ないよ、日本で俺を待ってるわとか言っちゃうに決まってるし、百恵ちゃんならスカした顔して俺のことなんか忘れてる。イミテーション・ゴールドな訳ですよ。
でも、約束どおりただ俺の顔を拝みにチェンナイに来る
そういう人、そういう人の行動って演歌だと思うんですよ、俺は。

コブシに力が入りました。
久しぶりに仕事の話をしない酒。
「今日はお前に酒を飲ませに来た。」
そんな事言われたんで、注がれた酒は全部飲み干した。
出してもらった肉は全部食べきった。
もうこっちも意地なんだ、弱くなったなんて思われたらたまったものじゃないからね。

個人的な話をすれば、お世話になった人が酒をおごってくれるのは有難いんだけど、それ以上にその人の目を通して俺がチェンナイで踏ん張ってること、マドラス大学でマスターをやってることが証明できたのが嬉しい。
やっぱり見てもらいたいんですよ、今の俺が何をしてるか。
自分がどういうポジションにいるとか客観的には分からん、でもひとつだけ間違いないのは2年間フラフラしてた数年前よりはまともなポジションにいるし、そのポジションにいる自分をまず見てもらいたい人に見せられたのが嬉しいのさ。

俺は世界で一番カッコイイ

この期に及んでまだそんなこと思ってんだから、俺も相当しつこいと思う。
でも、引きずってウダウダいうのが演歌の醍醐味というなら、
俺の人生も演歌

オサレビートに乗っけた軽い歌よりもドロドロの演歌。

そうなったらちょっとイイかなって思ってる。

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