クリスマス前だから、
奇跡の話をしよう。
サンタも腰抜かすようなドラマチックな奇跡。
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ブラッドフォード1年目の年、
一緒に住んでた男Yは夜中に竹刀を持ち出して
芝生の上でひとり素振りするような奴だった。
雪がちらつくある日の夜、
俺はひどくイラついて、家にもどった。
Yと玄関先で鉢合わせ、そのままの勢いで俺はイラついた経緯を愚痴った後
あいつが提案してきたのは、
「そういう時は竹刀ブンブン振り回して、大声で歌うんだ!!」
訳のわからん説得に負けて、
俺もブンブン振り回して、
適当な歌詞のドラゴンボールを歌ってみた。
「ウェポンは捨てろ」
!!!!
警官にパクられたww
ウェポン(=竹刀)を捨ててこっちに来なさいと・・・
ウェポンじゃない、これはスポーツアクティビティだという説明はまるで理解されないまま、
その場で釈放された。
刀は鞘に収めるという条件で・・・
それをきっかけにして以来、
一緒にエディンバラで城を汚し、
プラハでは川と世界遺産を汚した。
九州では一県丸ごと汚した。
「俺らは新しい歴史を作るんだ!!」
今までやらかしたことを顧みれば、ただの戯言。
学生身分がほざく甘っちょろい戯言。
でも俺らは本気だった。
スリランカ、援助関係となれば尚更。
ODAも開発援助も俺らが世界一カッコ良く変える。
俺らが一緒に住んでたのはたった9ヶ月。
あれから6年経った。
その間、お互いに顔を会わせたのは日本での数回。
その数回のうち一度だけ、
あいつが就活してるタイミングでうちの会社の上層部に紹介したことがあった。
会社が人材を探してる最中だったので、
俺は肝いりで紹介した。
結果は・・・ 両者の間に微妙な誤差が生じたらしい。
すべての感覚を共有する奴と一緒に働きたいと思うのは自然だと思ってる。
そういったチャンスはなかなか得られなくとも、
いつか、どこかで・・・という気持ちは常にある。
あれから2年。
Yを会社に紹介したことさえ忘れた頃、
会社が新たなプロジェクトを始めるのにあたって、
上層部から一言もらった。
「Yはどこだ?」
「といいますと?」
「今回こそ、Yを使う」
「・・・」
よっしゃ
「準備がすべて揃った段階でオファーを出す」
・・・キタ
「会社の将来像も含めて考えてもらう」
この口説き文句には誰も勝てない。
俺も同じこと言われたし(笑)
巡りめぐって、
俺はイギリス、スリランカ、日本を経てチェンナイにたどり着いた。
チェンナイが終わればスリランカだ。
Yもこのまま行けば、ヨルダン経てスリランカ。
長い間、すれ違いはあったけど、
待ちに待った状況が現実に起こるんだ。
昔の同居人は近いうちに同僚になる。
俺らは近い将来、新しい歴史を作るんだ。
舞台は整った。
小さい奇跡はいつかスリランカにデッカイ奇跡を起こすよ。
サンタにしては、
上出来のプレゼント。
やるじゃん
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