選択科目を残して、コアペーパーのテストが終わった。
「飲みいくか?」
テストが終わる前から考えてた、学部全員でアルコールを煽る会。
タミルナドゥ州は禁酒州だから、酒が苦手、タバコが苦手という奴は多い。だから、そもそも何かのついでに飲み会をする考えがないんだ。普段はビールの代わりに、スイーツとチャイ・・・女子高生ww
「せっかくだから、飲まなくても来い!!」
俺らは学部外で顔を合わせることが極端に少ないんだから、今回くらいは付き合いだと思って付いて来い。言葉も人種も宗教も違う人間が集まって酒を飲む環境はカッコイイんだ。それが分からない奴は平和構築を知らない。
「知らねぇなら、俺が教えてやる。」
俺はアルクホリックでもなければ、ジャンキーとも違う。でも、酒の飲み方、タバコの吸い方くらい教えてやるよww
集まったのは、インド人10人と日本人1人。
ヒンディ語3人、タミル語5人、少数民族語2人、日本語1人。
クリスチャン3人、ヒンドゥ7人、無神論者1人。
喫煙者4人、非喫煙者7人。
時間が経つにつれ、見えてくるのはそれぞれのダークな面。
酒は人を変えた。
「英語なんて喋りたくねぇんだ!!」
「女にアーミーが分かるのか?」
「日本も韓国も中国も台湾も一緒」
・・・いい加減にしろ。
こいつら、酒癖が悪すぎる。
一方で毎日のように俺と酒盛りしてるASHはいたって平気な顔してる。良かった、お前までブッ壊れたら、俺にはこの状況を収める自信はねぇ・・・
限界は近いと感じ、6時前にも関わらず完全に出来上がった連中をさっさと帰した。面倒なのは嫌いだ。
そして、残った俺ら2人。
「たまにはこういうのもいいじゃね?」
「なんかスゲェ楽しいじゃん」
10分後
「お前、大丈夫か?」
「hふぁspfcにうぇぱい」
・・・!!
ASHが壊れた。
もう一人いたよ、酒に飲まれた奴・・・。
帰り際、あいつはフラフラになりながら、俺を呼んでいる。
「バイクに乗れ」
アホ、ニケツしたら俺まで死ぬ。
それでも、乗れとうるさいASH。渋々ビビりながら乗った瞬間、3人を正面から引いた・・・それでも笑ってるASHWIN。
「バイクは捨てろっ」
「c不意shぢうdfchうぇおjぢおうぇ」
何言ってかわかんねぇww
この時までに人身事故3件、器物損壊2件。俺の足と腕にも打撲痕。バイクは目の前にあったホテルに置かせてもらい、次の日の朝、取りに来ることにした。酔っ払いの介護は面倒、それがインドになると最悪。寮までどうにか送って、俺は最終のバスでうちに帰った。
ぶっちゃけた話、羽目を外したくなる理由は分かる。飲み慣れてる奴でも酒に飲まれるは仕方ない気がした。
アホみたいにテンション張り詰めた中テストを受けて、
保守的な環境の中で窮屈に感じる。言葉の壁はインド人でも予想以上にストレスフル。
南インドに同化するのは考えてる以上に難しい。
それは俺だけじゃなく、あいつも同様に感じてたこと。それがある意味、今回の飲み会で開放された気分になった。
あいつが一番嬉しそうな顔してたよ。
それでも、完全に崩すのは不可能。
インフラ以上に手に負えない文化の壁を前にしてただ立ちつくすのみで、俺にこいつをぶっ壊す知恵はまだない。
インド、厄介な国だ。
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